本日の映画:シャンドライの恋

「シャンドライの恋」('98・イタリア)

政治活動をした疑いで夫が逮捕されてしまったシャンドライは、
アフリカからイタリア、ローマへとやってきました。
医学生となった彼女は生活費を稼ぐため、
イギリス人の音楽家、キンスキーのアパートで住み込みで働くことに。

才能あるピアニストなんだけど、子どもたちにピアノを教え、
ひっそりと暮らしているキンスキー。
何か事情がある感じ。
なんだか世俗から離れたいタイプっぽい。
そんな彼、美しいシャンドライに密かに恋心を抱いています。

食事を運んだりするリフト
(シャンドライはクローゼットとして使っている)
に、お花や「?」と書いた五線譜なんかを乗せて、
遠回しに「好き」を伝える彼。
贈られた指輪を返しに来たシャンドライにもう我慢ならなくて、
突然プロポーズしちゃう。
もちろんびっくりのシャンドライ。
君のためならなんでもする、というキンスキーに思わず、
「だったら夫を釈放させて!!」と言ってしまいます。
まさか夫がいたなんて…
と簡単に諦めるキンスキーではありません。

アパートにある調度品がひとつずつなくなっていったのはこの頃から。
そして最後はピアノだけになり。
「掃除するものがなくなったわ」と笑うシャンドライ。
そんな彼女の元に一通の手紙が。
それは、夫が無事で、近いうちに釈放される、という内容でした…

無償の愛だった?
いや、作戦か?
大切なピアノを手放してもシャンドライの幸せを願った?
それとも、そうすれば彼女を手に入れられると思った?

待ち望んでいた夫の帰り…なのに、
だんだんキンスキーに心奪われていく場面がチクチク。
アイ・ラヴ・ユーの気持ちだけで満足?
余韻に酔う。



その後の展開を想像してみる。

本日の映画:ルーム

「ルーム」('15・アイルランド=カナダ)

まず一番びっくりしたのは、主演の”ママ”役のブリー・ラーソンが
「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」の娘役やってた子だった!ということ。
ちなみにドラマは続きを待っていたのに放送されず…
打ち切られていたことを知りました。

この「ルーム」はアカデミーもとり、日本でも話題になってましたね。
母と子が監禁されていて…という情報しか知らなくて、
実は部屋の外は近未来だった、とか、
誰かの頭の中の話だった、とか、
キューブのひとつだった、とか、
SFチックな物語なのかな、と想像してました。
だから見終わってまたびっくり。やられたー

”ママ”ことジョイが”オールド・ニック”と呼ぶ男に誘拐されたのは、
彼女がまだ17歳のとき。
2年後、彼の子を妊娠した彼女は小さな”ルーム”で息子、ジャックを出産。
オールド・ニックは、毎週日曜日になると食料を持って”ルーム”に来る。
それをクローゼットの中で待つジャックは知っている。

”ルーム”から見える外は天窓から見える空だけ。
テレビは見られるけど、ニュースや外の世界がわかるものは見られないみたい。
ジョイは前に逃げようとしたけど、失敗したからもう諦めている。
でもジャックが5歳になった時、ある決心を固めます。
この小さな”ルーム”が世界のすべてだと思っている彼に、
本当の世界を見せたいと思うようになったのでした。

病気にみせかけ、病院に連れて行ってもらい助けを求める、
という計画はギリギリ成功。
ジャックの勇気ある行動でオールド・ニックは逮捕され、
ふたりはジョイの実家に住むことになります。

両親は離婚していて、実家にはジョイのママと再婚相手が住んでいました。
これから安心してここで暮らしていける。
そうジョイは思っていたのだけど…
遠くに暮らしていたパパは、誘拐犯の子供であるジャックを見ることもできない。
ママは腫れ物に触るように接する。
外にはマスコミや近所の人が常にいて、ジョイが話すのを待っている。
そして7年ぶりの外の世界。
戸惑うジョイはなかなかうまく適応できない。
不安定な彼女は自殺未遂。
でもなんとか立ち直ろうとします。

それとは逆に、友達を作ったりうまく適応していくジャック。
さすが子供。
一度も切ったことのなかった髪を短く切り、
ママ以外の人間とも徐々に馴染んでいきます。

大げさに泣きわめいたり叫んだりしないふたりの、
淡々とした言動は、緊張感が漂います。
最後のジャックのさよなら、のシーンは、大人だなー、と思いました。
そういう状況が普通、だった彼の方が、
普通の世界、を知っていたジョイより適応力があるのはわかるよね。
大丈夫だな、きっと。



予期せぬ展開が起こると、脳が対応しきれない。

本日の映画:胸騒ぎの恋人

「胸騒ぎの恋人」('10・カナダ)

最近どうしても手に取ってしまう、グザヴィエ・ドラン監督作品。
今回は「マイ・マザー」に続き、ご本人主演。
そしてまたモヤモヤするゲイの若者役です。

ゲイのフランシスとストレートのマリーは親友同士。
ある日、彼らはニコラという男の子と知り合い、
マリーは一目惚れ、そしてフランシスも彼に恋心。
その気持を隠しながらも、完全に隠せてないふたり。
お互いに様子を伺いながら、愛情を隠した友情を深めていきます。

「愛してる」とニコラはふたりに言うけど、
どの愛してる?
ニコラの気持ちははっきりわからない。
ニコラ狙いのふたりはどうにかして彼に好かれようと、
あれこれ奮闘。
オードリー・ヘップバーンが好きだと聞けばポスターを贈り
(しかも偶然を装って)
好きそうな舞台があればチケットを贈る。
(偶然みつけたんだけどー)

「タイプじゃないんだけどねー」なんて言うけど、バレバレの行為。
フランシスもマリーも軽い付き合いの相手はいるけど、
日に日にニコラに対する思いが強くなっていく。
そんなふたりの気持ちに全く気付いてないニコラは、
魅力を振りまき、ますますヤキモキさせる。

でもとうとうニコラをシラケさせてしまう事件が勃発。
彼の前でふたりは殴り合いの大喧嘩。
サーッとふたりの前から消えたニコラ。
届かなかった思いをうまく消化できないフランシスとマリー。

再会。
まだまだ未練タラタラ。
でも、力合わせて乗り切るふたりに、ニヤッ。

あ、わたし、そんなんじゃないから。
と、理解のある大人の女を気取るマリー。
マリー応援するよ!と言うけど、
裏腹な態度をとるフランシス。
なんかふたりのやり取りがくすぐったい。
私もどうやったらみんなの人気者、ニコラを
手に入れらるか考えてみたけど、これがなかなか読めない男。
みんなと楽しみたい年頃。
あれ、ボク、そんなつもりじゃ…

嗚呼、こちょばしい。



バンバーン。
劇中に流れるこの歌、好き。
なんか昔の歌謡曲みたい。

本日の映画:ハッピーエンドの選び方

「ハッピーエンドの選び方」('14・イスラエル)

若い頃はほんと、気にしてなかった老後のこと。
まだまだ先、と思いながらも、歳は確実にとっていってます。
周りからも聞こえてきてる。

先日ホームにいるおばあちゃんに会いに行きました。
新築の広めの部屋には、専用のトイレ、洗面台、テレビがあって、
寝たいときに昼寝して、1日3食手作りのご飯が食べられて、
3時のお茶にはおやつが出る。
食堂には大きな窓があって、他の入居者さんたちは花札したり、
カラオケしたりして過ごしているらしい。
その輪には入らないの、とおばあちゃん。
特にこれといった刺激もない毎日。
でも彼女にはそんな生活が合っているみたいで、
毎回会うたびに元気になっているように見える。

去年亡くなったもうひとりのおばあちゃんもホームに入っていた。
介護の度合いもあるけど、こちらは同じような部屋はあったけど、
廊下が暗くて静か。あんまり大声では話しちゃだめなの、と言っていた。
活動的でお話し好きでスクーターであちこち出かけていた彼女には、
その生活は相当なストレスだったと思う。

その人その人にベストな環境を与えてあげられたら一番いいけど、
100%は難しい。
死ぬまで家にいたい人もいるけど、そうもいかないときもある。
病院はいや、とか、病院が安心とか、
大丈夫、自分が全部引き受けるよー!とはなかなか言えなかったりする。

今回の物語の内容とはちょっと違うけど、
こういう問題は世界共通であるんだな。

イスラエル。
ヨヘスケルとレバーナの夫婦は、お出かけできたり、自分で料理したりできる、
わりと自由なホーム(というかアパート)に住んでいる。
ヨヘスケルの趣味は発明。
神様ダイヤルを設置し、自分を「神様」と名乗って、
「まだ死ぬのははやいよ」とかけてきた人に言ったりする。
そんなおちゃめなおじいちゃん。

ある日、親友から切実なお願いをされたヨヘスケルは、レバーナに相談。
壮絶な延命治療をやめ、何か安らかに死ねる装置を作ってほしい、
というのがお願いの内容。
でもレバーナは猛反対。
その反対を押しきり、彼は”自らスイッチを押して死ねる”装置を完成させます。
ホームの仲間の力を借り、彼の死を見守ったヨヘスケル。
しかし、一度だけの秘密のお願い、のはずが、
依頼が次々と舞い込んでしまって…

犯罪犯してるんだけど、なんかのほほんとしてるのはそう作っているからね。
よく考えると重い、重すぎる話。
苦しみに耐えられず殺してほしい、という気持ちもなんとなくわかる。
自分自身が経験していないので確かなことは言えないけど、
看病していて見るのも辛くて「楽にさせてあげたい」と思うかもしれない。

でも「じゃあ安楽死しますか」と安楽死が合法だったら、
犯罪率が上がりそうね。
変なビジネスとかうまれて、それで儲けちゃう人が現れたりさ。

戸惑っていたヨヘスケルだけど、お人好しの彼はズルズルと続けていきます。
もちろんそれは無償で、と思っていたら、実は仲間がお金とってたり。
そんな中、認知症になったレバーナ。
そして装置を使うことを頼まれたヨヘスケル。
いいの?
それでいいの?

一瞬感動的なラストに見えるけど…
いいの?
それで?
いいの?



ハッピーエンドなの?

本日の映画:ネオン・デーモン

「ネオン・デーモン」('16・アメリカ=フランス=デンマーク)

おぉー。
思っていた感じとは全然違った。
ダークでアート的な?
とは思っていたけど、ストーリーがさ。
ラストシーンは目、見開いたわ!

ジョージアの田舎町から、モデルになりたくて
ロサンゼルスにやってきた16歳のジェシー。
彼女の家族のこととか全く語られなくて、
両親は死んだ、とは言ってるけど、怪しいところ。
学校は?お金の工面は?謎が多いスタートです。

モーテルに暮らしながら、有名になる日を夢見ているジェシー。
ネットで知り合ったカメラマン、
ディーンに撮ってもらった写真を手に、モデル事務所へ。
事務所の担当は、彼女の持つ魅力にすぐ気づき、
その美しさは、有名デザイナーや一流カメラマンを虜にしていったのです。

メイク担当のルビーがそんな彼女に恋心を抱いたり、
モデル仲間のサラとジジは強い嫉妬心を向けたり。
自分が特別で誰よりも美しいと知っているジェシーは、
そんな周りのガヤガヤにも結構冷静に対処。
”純真無垢”風だけど、したたか。かなりしたたか。

そんな冷静沈着な彼女だけど、部屋にコヨーテがいた時はビビってた。
モーテルのオーナー(汚いふりしたキアヌ・リーヴス!)に
襲われそうになったときもビビってた。
でもだからと言って逃げ出そうとはしない。
泣きながら「おうちに帰りたい」とも言わない。
しかも、恋心を抱いていたディーンをスパッと切り捨てたりする。
恐るべし16歳。

でもある日、事件が。
え?主役、退場…???
そこにはいるけど、姿が見えぬ…
どう着地する?
と思ってたら、ものすごいラストが待っていた。
モデルは20歳過ぎたらオワリ。
美しさの基準って何だ?

エル・ファニングはかわいいけど、どうも子供にしか見えず。
私はそこまでの魅力は感じなかった。
この物語の登場人物はみんな”美”に執着している。
デザイナーやカメラマンは究極のミューズを追い求め、
モデルはメイクや整形手術で美しさを作り上げる。
でも美人でスタイルがよくても”美”の才能がなきゃだめ。

そして”死”にも取り憑かれている人たちが。
ディーンが最初に撮った写真は血だらけだし、
恋心が実らなかったルビーは、まさかの死体と…
邪魔者には死を!とサラとジジ。
彼女になるには彼女を自分に取り込もう、
なんて、そんな考えどこから来るのよ。

食うか食われるか、ってこういう意味か。



ニコラス・ヴィンディング・レフン監督はデンマーク出身。
ラース・フォン・トリアー監督もデンマーク出身。
「ブリッジ」もデンマークドラマ。
なんとなく同じ匂いがする。
プロフィール

えみめも

Author:えみめも
映画や海外ドラマを見ることは私の癒やし。

映画以外の記事はinstagramにて↓
えみめも@emiemimemomemo

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