本日の映画:ハッピーエンドの選び方

「ハッピーエンドの選び方」('14・イスラエル)

若い頃はほんと、気にしてなかった老後のこと。
まだまだ先、と思いながらも、歳は確実にとっていってます。
周りからも聞こえてきてる。

先日ホームにいるおばあちゃんに会いに行きました。
新築の広めの部屋には、専用のトイレ、洗面台、テレビがあって、
寝たいときに昼寝して、1日3食手作りのご飯が食べられて、
3時のお茶にはおやつが出る。
食堂には大きな窓があって、他の入居者さんたちは花札したり、
カラオケしたりして過ごしているらしい。
その輪には入らないの、とおばあちゃん。
特にこれといった刺激もない毎日。
でも彼女にはそんな生活が合っているみたいで、
毎回会うたびに元気になっているように見える。

去年亡くなったもうひとりのおばあちゃんもホームに入っていた。
介護の度合いもあるけど、こちらは同じような部屋はあったけど、
廊下が暗くて静か。あんまり大声では話しちゃだめなの、と言っていた。
活動的でお話し好きでスクーターであちこち出かけていた彼女には、
その生活は相当なストレスだったと思う。

その人その人にベストな環境を与えてあげられたら一番いいけど、
100%は難しい。
死ぬまで家にいたい人もいるけど、そうもいかないときもある。
病院はいや、とか、病院が安心とか、
大丈夫、自分が全部引き受けるよー!とはなかなか言えなかったりする。

今回の物語の内容とはちょっと違うけど、
こういう問題は世界共通であるんだな。

イスラエル。
ヨヘスケルとレバーナの夫婦は、お出かけできたり、自分で料理したりできる、
わりと自由なホーム(というかアパート)に住んでいる。
ヨヘスケルの趣味は発明。
神様ダイヤルを設置し、自分を「神様」と名乗って、
「まだ死ぬのははやいよ」とかけてきた人に言ったりする。
そんなおちゃめなおじいちゃん。

ある日、親友から切実なお願いをされたヨヘスケルは、レバーナに相談。
壮絶な延命治療をやめ、何か安らかに死ねる装置を作ってほしい、
というのがお願いの内容。
でもレバーナは猛反対。
その反対を押しきり、彼は”自らスイッチを押して死ねる”装置を完成させます。
ホームの仲間の力を借り、彼の死を見守ったヨヘスケル。
しかし、一度だけの秘密のお願い、のはずが、
依頼が次々と舞い込んでしまって…

犯罪犯してるんだけど、なんかのほほんとしてるのはそう作っているからね。
よく考えると重い、重すぎる話。
苦しみに耐えられず殺してほしい、という気持ちもなんとなくわかる。
自分自身が経験していないので確かなことは言えないけど、
看病していて見るのも辛くて「楽にさせてあげたい」と思うかもしれない。

でも「じゃあ安楽死しますか」と安楽死が合法だったら、
犯罪率が上がりそうね。
変なビジネスとかうまれて、それで儲けちゃう人が現れたりさ。

戸惑っていたヨヘスケルだけど、お人好しの彼はズルズルと続けていきます。
もちろんそれは無償で、と思っていたら、実は仲間がお金とってたり。
そんな中、認知症になったレバーナ。
そして装置を使うことを頼まれたヨヘスケル。
いいの?
それでいいの?

一瞬感動的なラストに見えるけど…
いいの?
それで?
いいの?



ハッピーエンドなの?

本日の映画:ネオン・デーモン

「ネオン・デーモン」('16・アメリカ=フランス=デンマーク)

おぉー。
思っていた感じとは全然違った。
ダークでアート的な?
とは思っていたけど、ストーリーがさ。
ラストシーンは目、見開いたわ!

ジョージアの田舎町から、モデルになりたくて
ロサンゼルスにやってきた16歳のジェシー。
彼女の家族のこととか全く語られなくて、
両親は死んだ、とは言ってるけど、怪しいところ。
学校は?お金の工面は?謎が多いスタートです。

モーテルに暮らしながら、有名になる日を夢見ているジェシー。
ネットで知り合ったカメラマン、
ディーンに撮ってもらった写真を手に、モデル事務所へ。
事務所の担当は、彼女の持つ魅力にすぐ気づき、
その美しさは、有名デザイナーや一流カメラマンを虜にしていったのです。

メイク担当のルビーがそんな彼女に恋心を抱いたり、
モデル仲間のサラとジジは強い嫉妬心を向けたり。
自分が特別で誰よりも美しいと知っているジェシーは、
そんな周りのガヤガヤにも結構冷静に対処。
”純真無垢”風だけど、したたか。かなりしたたか。

そんな冷静沈着な彼女だけど、部屋にコヨーテがいた時はビビってた。
モーテルのオーナー(汚いふりしたキアヌ・リーヴス!)に
襲われそうになったときもビビってた。
でもだからと言って逃げ出そうとはしない。
泣きながら「おうちに帰りたい」とも言わない。
しかも、恋心を抱いていたディーンをスパッと切り捨てたりする。
恐るべし16歳。

でもある日、事件が。
え?主役、退場…???
そこにはいるけど、姿が見えぬ…
どう着地する?
と思ってたら、ものすごいラストが待っていた。
モデルは20歳過ぎたらオワリ。
美しさの基準って何だ?

エル・ファニングはかわいいけど、どうも子供にしか見えず。
私はそこまでの魅力は感じなかった。
この物語の登場人物はみんな”美”に執着している。
デザイナーやカメラマンは究極のミューズを追い求め、
モデルはメイクや整形手術で美しさを作り上げる。
でも美人でスタイルがよくても”美”の才能がなきゃだめ。

そして”死”にも取り憑かれている人たちが。
ディーンが最初に撮った写真は血だらけだし、
恋心が実らなかったルビーは、まさかの死体と…
邪魔者には死を!とサラとジジ。
彼女になるには彼女を自分に取り込もう、
なんて、そんな考えどこから来るのよ。

食うか食われるか、ってこういう意味か。



ニコラス・ヴィンディング・レフン監督はデンマーク出身。
ラース・フォン・トリアー監督もデンマーク出身。
「ブリッジ」もデンマークドラマ。
なんとなく同じ匂いがする。

本日の映画:リミットレス

「リミットレス」('11・アメリカ)

ドラマ版「リミットレス」が面白かったので、映画版も見てみることに。
うーん、なるほど、こうやってモーラはモーラになったのね。
見る順番違ったけど、ドラマ版と見比べたりできて、意外と楽しめた!

ニューヨークに暮らす作家志望の若者、エディ・モーラ。
ようやく出版のチャンスを掴んだけど、はじめの1行が書けず大スランプ中。
しかも恋人、リンディにも愛想をつかれて別れを告げられてしまい、人生どん底中。
そんな時、元妻の弟、ヴァーノンに偶然再会。
彼から「脳が100%活性化する」という開発中の新薬、NZT48を譲り受けます。
半信半疑で飲んでみるエディ。
すると、今まで浮かんでこなかった1行目が浮かんできて、
あっという間に本を書き上げたのでした。

これは最高の薬だ。
と、追加の薬をもらいにヴァーノンの家に行くと…
彼は何者かに銃で撃たれ殺されていたのです。
部屋から大量のNZTを見つけたエディはそれをくすね、毎日のように摂取。
今まで脳の中に眠っていたすべての記憶が呼び起こされ、
文章は書けるし、今まで理解できなかったこともすぐわかる。
この能力をフル稼働させ、金儲けをし、セレブな知り合いを遊びまわり、
しかもそんな彼を見直したリンディも戻り、人生最高潮!
…でも、そこには落とし穴が。
副作用が彼を苦しめはじめ、しかも命を狙う者まで現れ…

ここではまだ”議員候補”のエディ。
NZTを量産する手段は得たようだけど、
副作用をなくす薬はまだ開発されていないよう。
でも脳が100%活性化中の彼は、うまい具合にその問題もクリアしたのね。

世界を牛耳ってる人はみんなこんな薬飲んでる?
と、疑っちゃうような、本当のようで嘘のような話。

常に50手先を読む。
薬飲むのは嫌だけど、体験してみたいよね。



ブラッドリー・クーパーを見るとドラマ「エイリアス」を思い出す。
みたいな、また見るかな。

本日の映画:フェリーニのアマルコルド

「フェリーニのアマルコルド」('74・イタリア=フランス)

原題の「アマルコルド」は「私は思い出す」という意味らしいです。
という事で、物語の内容はフェリーニ監督の少年時代の思い出を
彼らしくコラージュしたものとのこと。
少しは盛ってる?
と思うけど、監督の目を通して見た世界を、監督のセンスで作ると、
こんな興味深い1年の出来事に。
たしかに、日常の平凡な瞬間も、見方によれば面白く思えるかもね。
15歳のチッタを中心にそんな”平凡だけどおかしな”日常が展開。

イタリア北部の小さな港町。
これからくる春を祝うお祭りに家族と訪れたチッタ。
みんな幸せそう。
チッタが密かに恋心を抱く年上の女性、グラディスカもいて気分が上がる。

春が終わると夏が来る。
漁師たちが海に出る季節。
豪華客船を見るために町中の人がボートに乗る。
みんな嬉しそう。
でもその一方、反ファシズムの父は拷問を受け、
心を病んだ叔父は木に登り「女が欲しい!」と叫んでいた。

秋が終わる頃、グラディスカに相変わらず相手にされないチッタは、
精一杯アピールするけど惨敗。
そして閉店間近に入ったタバコ屋の豊満な店主に「抱いて!」と言われ、
とりあえず頑張ってみた…けど、「もういい、帰れ!」と追い出されてしまった。

雪の上に孔雀が舞い降りる冬になると、
チッタの母が病に倒れ、帰らぬ人に。
こういう経験も避けて通れない人生の一部なのです。

そしてまた巡ってきた春。
最愛のひと、グラディスカは町一番のイケメンと結婚。
初恋は失恋に終わったのでした。

1930代年のイタリアは、ファシストのムッソリーニが台頭していた頃。
あのオレンジのおじさんはムッソリーニでしょうか。
なんか、強いぞー偉いぞーでっかいぞー、
でもなんか、皮肉たっぷりに描かれているのがおもしろい。

ここに出て来るイタリア人はみんな陽気。
秘密警察に見張られている毎日でも、自分らしさを忘れず楽しく生きてる。
チッタのパパも、わざわざ反ファシズムを唱え拷問されるけど、
そんなに簡単にへこたれない。
子供目線で見たその情景は、いろんな形で心に刻まれているよう。
人生を楽しむために戦うってこと、見習いたいな。



嫌なことがあっても、おもしろ目線で見てみるか。

本日の映画:デザート・フラワー

「デザート・フラワー」('09・ドイツ=オーストリア=フランス)

FGM=女性性器切除の事は何年か前にファッション誌で読んだことがあって。
ファッション目当てで読んでたし、突然目に入ったその記事に衝撃を受けました。
海外ドラマ、SVUでも取り上げてたエピがあって。
でも日本に住んでいると、あまり現実とは思えない話。
実際、記憶から消えかかっていたけど、また思い出した。
実はこの作品をよくある”サクセスストーリー”だと思ってた。
ソマリアから出てきた女の子がモデルになって、
色々あったけど成功する!的な。
お金や男に振り回され、ドラックお酒パーリー三昧な日々だったけど…
みたいな。
ああ、申し訳ない。
予期せぬ展開に、うろたえるわたし。

ロンドン。
ホームレス状態だったソマリア人の女の子、ワリスは、
イギリス人のマリリンと知り合い、
”ほぼむりやり”彼女の住む部屋に泊めてもらうことになります。
マリリンは彼女に仕事を紹介し、早く出て行ってもらおうとするけど、
ワリス、また帰ってきちゃう。
でも徐々に友情が芽生えてきて、ふたりは親友になります。

ある日のこと。
いつもの職場で、紳士がワリスに声をかけます。
「きみの横顔は美しい」と。
そしてフォトグラファーである自分にその横顔の写真を撮らせて欲しいと言います。
まったく信用してなかったけど、マリリンは名刺を見てビックリ。
彼はかなり有名な大御所フォトグラファーだったのです。
ワリスは恐る恐る彼のアトリエを訪問。
それを機に彼女の生活は一変。
モデルの仕事が舞い込むようになり、さぁ、世界へ〜
…となったのだけど、ワリス、パスポートが切れてた…

これでは強制送還になる。
マリリンの住むアパートの雑用係と結婚し、
無期限滞在許可書を手に入れたワリス。
離婚したあとは、トップモデルとして活躍し、
ああ、サクセスー!
すべてを手に入れたかに見えたけど、
彼女には世の中に伝えたい事がありました。
それは自分の生い立ちではなく、FGMのことでした。

遊牧民として貧しい生活をしていた少女ワリス。
3歳の時それは行われ、
13歳で初潮が来たと同時にかなり年上(というかじいちゃん)と結婚、
させられる寸前に逃げ出し、あれやこれやでひとり、ロンドンへ。
大使である親戚の家でメイドになり、
内戦で本当はソマリアへ帰らなきゃならなかったけど、
そのまま残り不法滞在者としてロンドンに残り、
数年後、マリリンと出会ったのでした。

FGMがメインの話とは知らず、
「ワリス、したたかだなー」
「欲しいものは手に入れる、つよいなーワリス」
「生きていくにはこれくらいじゃないきゃダメなんだろうなー」
と、いつワリスが堕落していつ復活するのかを待ってました。

平和な国で育ったわたしには、想像の出来ないような現実。
今のわたしならすぐ挫けそう。
テレビやネットや本で語られてることが全てじゃない。
わたしが知ることができるのはほんの一部。
今この瞬間にもこの虐待と言える行為が行われているんだな。

真実を知れる機会が増えて、少しずつ良くなって行けばいいな、世界。



本は二冊出ているようです。
ワリス、その後にソマリアにも帰ったらしい。
読みたいリストに入れておこう。
プロフィール

えみめも

Author:えみめも
映画や海外ドラマを見ることは私の癒やし。

映画以外の記事はinstagramにて↓
えみめも@emiemimemomemo

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