本日の映画:真夜中のゆりかご

「真夜中のゆりかご」('14・デンマーク)

”一時の気の迷い”って経験した人多いと思う。
誘惑に負けて、盗みを働いたり浮気したり人を殺めたり、
やめた方がいいのにやってしまう。
それ、全部食べたら太るよな、ってのもそう?
あとで冷静になってみると後悔する。
それもわかっている。
でも気が迷う。
欲望のままに行動しちゃう。

今回の主役、刑事のアンドレアスもそのひとり。
妻アナと生まれたばかりの息子アレクサンダーと幸せな日々を送っていた彼。
ある日捜査で踏み込んだドラッグ中毒者、トリスタンとサネの家で、
育児放棄されている赤ん坊を発見。
息子とほぼ同い年の赤ん坊の名前はソーフス。
居ても立ってもいられない。
だけと施設で保護することもできず、
ソーフスはまたあのゴミ溜めのような危険な家に戻されることに。
家ではアレクサンダーに癒やされるけど、モヤモヤは消えない。

そして事件が。
ある夜、いつも夜泣きが激しいアレキサンダーが、
泣いていないことに気づいたアナ。
よく見てみてると息をしていない。
救急車を呼ぼう、という夫に、激しく取り乱しているアナは、
「そんなことしたら自殺してやるー!」と言う。
困ったアンドレアス。
自分もかなり動揺しているけど、ここは冷静にならないと。
アナに睡眠薬を飲ませ、息子を連れ病院へ向かったのだけど…

”気が迷った”彼は、何かを決心したように、車を走らせます。
向かった先はトリスタンとサネの家。
トイレでまた以前のように放置されているソーフスに息子の服を、
息子にソーフスの服を着せ、ソーフスを連れ帰ったのでした。

えー!
一番冷静で分別のありそうだったアンドレアスがですよ。
一番無分別な行動に出ちゃいます。
「ほら、新しい赤ん坊だよ、育てよ」だなんて、
情緒不安定だった妻もビックリですよ。
それにしても、誰にも気づかれないとでも思ったのでしょうか。
遺体がみつかったとき、検死したとき、バレるでしょう?
でも彼があの時取った行動は、ソーフスを救った。
あのままだったらきっと生きていなかったかもしれない。

じわじわと押し寄せてくるやるせなさ。
ひとりひとりの気持ちを考えて何が正しいか考えてみる。



アンドレアスの相棒は「ブラック・リスト」の、
アレグザンダー・カークだね!
アンドレアス役の人もこの間見た「おやすみなさいを言いたくて」に出てた。
ハンニバルもそうだし、デンマークの俳優さんは英語が堪能なのね〜

本日の映画:白夜

「白夜」('57・イタリア)

「白夜」ってタイトルの映画、結構たくさんあるのですね。
今回私が見たのは、ドストエフスキーが原作で、
監督がヴィスコンティ、マストロヤンニが主演のもの。

全部セットだという事前情報。
あの小さな世界に生きてる人間の、美しく無情な物語。

転勤のため、イタリアのとある港町に暮らし始めたマリオ。
ある夜、運河の近くを散歩していると、橋の上で泣いている女性を発見。
話しかけてみるマリオ。
ひと目で彼女にフォーリンラヴ。
夜は危ないから家まで送るよ〜なんて言うけど、あなたこそ怪しい。
いいです、って言われたのに無理やり家まで送り、ちゃんと番地まで確認。
なんとか言いくるめて次の日の夜も会う約束を取り付けたのでした。
さすがイタリア男子です。

だけど次の日、マリオが見たのは必死で彼から逃げてる彼女の姿。
おいおい、それはないだろ。とふくれるマリオに謝る彼女。
そういうつもりじゃないのよ…と、自分の身の上話をし始めました。
彼女ーナタリアは、この行動には理由があるのだと言うのです。

それは1年前のこと。
祖母とふたりで暮らしていた家の下宿人と愛し合うようになったナタリア。
でも彼は町を出ることになり、自分も一緒に、と思ったのだけど、
彼の答えは「NO」。
「1年後、必ず戻るから、気持ちが変わってなければ結婚しよう」
と言い残し、去ってしまったのでした。
怪しいですねー。妻子がいるとかですかー。スパイとかですかー。

なんてロマンティック!
…でもこれじゃマリオは愛を告白できません。
それでもナタリアのために、ナタリアを自分に振り向かせるために、
あれやこれや頑張るのだけど…

人間って残酷な生き物です。
雪が降る中、一番愛する人を見つけた彼女は、
愛し始めた男を置き去りにし、
借りたコートが肩から落ちたのも気づかず去っていく。

ナタリア、かなりヤバい女。
男を悩ます小悪魔だ。
マリオくんならもっと素敵な女子と出会えるさ!



美しく残酷に。

本日の映画:グランド・ブダペスト・ホテル

「グランド・ブダペスト・ホテル」('13・イギリス=ドイツ)

こういう”ハイ、ツクリマシター!”感満載の映画、好きです。
ほどよくブラックで、ほどよくグロくて、ほどよくロマンチックで。

ヨーロッパ大陸の東端に位置する旧スブロフスカ共和国。
作家は、かつての帝国の中心地だったその国のある町の、
オールド・ルッソ墓地に眠っていました。
彼が1985年に書いたのが「グランド・ブダペスト・ホテル」。
それは1968年、若き日の彼が休暇で訪れたそのホテルで出会った
ひとりの男に聞いた物語を綴ったものでした。
長い間謎に包まれていたホテルのオーナー、ゼロ・ムスタファの人生。
それがひとつずつ紐解かれていきます。

時はさらに遡り、1932年。
移民の青年、ゼロはホテルのロビーボーイとして働き始めました。
その頃のホテルは、上流階級の客で溢れる誰もが憧れる場所。
ゼロの上司である、生きる伝説、ムッシュ・グスタフが、
コンセルジュとして最高のサービスを提供していました。
彼の仕事はただ、最高の接客をするだけではありません。
彼らの要求をすべて完璧に応えるのはもちろん、
寂しいマダムたちの夜のお相手までも。
何人ものマダムたちが彼の虜でした。

でもある日、ある事件がグスタフ、そしてゼロの運命を変えていきます。
常客だったマダムDが殺され、グスタフが容疑者になってしまうのです…

グスタフって傲慢でいけ好かないやつ?と思ったけど、いやいやー、
少し”オレ様”なところはあるけど、仕事第一の人間で、
ゼロのことを息子のように大事にしてる。
冷静沈着でスマート、そしてお茶目な面もあって憎めない。
そんな彼を師であり保護者だと敬愛するゼロ。
彼を信じ、無実の罪を着せられたグスタフを助けていきます。

後半のこのふたりのドタバタが最高。
”ハイ、ツクリマシター!”感で何故か涙してしまうほど。
CGでなくミニチュア?なチープ感も良い。
ホテルの佇まい、ピンクのお菓子の箱とブルーのリボン。
アガサの作るお菓子のかわいいこと!

一瞬でも目を離したら”ハイ、ツクリマシター!”の場面、
見逃しちゃいそうで気が抜けない。
ほどよく皮肉、もニヤリとしてしまう。



出演してる俳優が豪華すぎ!
そして使い方が贅沢。

本日の映画:跪く女

「跪く女」('13・スウェーデン)

び、びっくりしたー!なラスト。
あーん、もう、イダったら。

新人教師のイダ。
担当することになったクラスの生徒たちは言うことを全然聞いてくれない。
どうすることもできなくてオヨオヨするだけ。
そこで救いの手を差し伸べてくれたのが、同僚のクリステル。
そのことがきっかけでふたりは付き合うようになり、
あれよあれよという間に一緒に住むことになりました。

うん、そうよね、そうよね。
こういうのがきっかけで恋って始まるのよね。

でも住み始めてすぐ、今まで気にならなかった事が気になり始めます。
クリステルはイダの父親がバスタブを設置しに来ることを嫌がり、
ひとりで暮らす彼の母親に必要以上に干渉したりする。
トイレットペーパー1年分買った?どういう気遣い?
好みでない安物のシャンプーを買ってきたり、
何だか価値観も違うっぽい。
そのことで話し合おうとすると不機嫌になるクリステル。
イダはなるべく合わせようとするんだけど。

うんうん、そうよね。
一緒に住み始めてびっくりすることってあるよね。

しかも、親友リンダがクリステルの事を「あいつ怪しい」って言い出して、
本人に突っかかったりする。
んなもんだから「もう会うな」と言われちゃう。

うんうん。
腹いせに無断で出かけたイダも悪いけど「会うな」はないよね。

イライラも限界のクリステル。
とうとうふたりは喧嘩に。
でも彼は自分の独占欲の強さや嫉妬深さを認め、
イダの事を自分の思うように操ろうとしていたことを謝ります。
イダも自分の非を認め、一件落着。
…と思いきや。また喧嘩勃発。
「別れる!」というクリステル。
「いやよ、いやいや!」とセックスで解決しようとするイダ。
そ、そして!!

興味のある方は、ぜひ本編をご覧ください。
催眠術にかかったように従順になったり、
”小さい頃の記憶がないの”って言ったり、
伏線はいくつかあったんだけどね。
まさかね。
こうくるとはね。



クリステルもびっくり。

本日の映画:ひつじ村の兄弟

「ひつじ村の兄弟」('15・アイスランド=デンマーク)

アイスランド、と聞くだけで寒そうな国です。
羊が人口より多くいるという、
羊毛から糸を紡ぐ私にしてみれば夢の国。
そしてビョークの生まれた国でもあります。
「of monsters and men」というステキなバンドもアイスランド出身。
そしてこのタイトル。
「ひつじ」という言葉に過剰に反応してしまうのです。
私、アイスランドに行くべき?

羊飼いの兄弟、キディーとグミー。
物語はどちらかというと弟グミーを中心に動きます。
何があったか最後まで詳しく語られないけど、このふたり、
隣同士に住んでいるのに40年以上も口を聞いていないのです。
何か伝言があればキディーの飼っている犬に”伝書犬”になってもらったり、
無言でドアをノックして指差したりします。

そんな彼らが育てている羊は、代々受け継がれてきた優良種。
羊の品評会では1位と2位を兄弟で独占するほど。
でもある日、グミーはキディーの羊が「スクレイピー」という
伝染病に感染しているのでは?と気づきます。
でも直接キディーには言えないので、人づてで伝えたんだけど…
激怒したキディーがグミー宅に鉄砲バンバンしちゃいます。

検査の結果、羊は感染していて、
拡大を防ぐために村の羊すべてが殺処分されることに。
これではせっかくの優良種が途絶えてしまう。
キディー抵抗するけど、どうしようもない。
そしてグミーは自らの手で殺処分することを決意します。

全ての羊が処分され、もうこれで終わりだ…、
と村全体が絶望の中にいました。
でもある日、キディーはある秘密を知ることになるのです。

淡々と物語が進む中、えっ、グミーまぢで!!
お!キディー!!行け行けー!!!
え、あ、え?
そこで、そこで終わりなのぉぉぉ!
みんなの無事を祈りたい。



きっと自分たちのひつじで編んだだろう、セーターがステキ。
ちょこちょこ走るひつじのかわいさったら。
プロフィール

えみめも

Author:えみめも
映画や海外ドラマを見ることは私の癒やし。

映画以外の記事はinstagramにて↓
えみめも@emiemimemomemo

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